2007年から現在も放送中。
なんだか世間からは少しズレている2人の物理学者の共同生活。
その友達も変わり者揃い。
そんな2人の新しいお隣さんは、女優を目指す可愛い女の子!?
シーズン12まで放送が決定しているアメリカのコメディドラマといえば?
もうお分かりの方も多いはず。
『ビッグバン・セオリー ギークなボクらの恋愛法則』です。
癖の強すぎるキャラクターたちの何だかかみ合わない会話……。
所謂ギークに分類されるレナード、シェルドン、ハワード、ラージの4人と社交的で交友関係も広いペニーの、全く異なる価値観……。
思わずクスリとしてしまう場面が満載のドラマですよね。
しかし、このドラマ、米国での評価は賛否両論だと知っていましたか?
今回は、『ビッグバンセオリー/ギークなボクらの恋愛法則』に関して、実際にギークと呼ばれる人々がどのようにドラマを見ているのかご紹介します。
#bigbangtheory
Geek/ギークとPreppy/プレッピー
皆さんは、「ギーク」と「プレッピー」という言葉を聞いたことがありますか。
アメリカの大学や高校なんかで、オタク、特に技術オタクに属する人々を「ギーク」といいます。
特定分野に関して特に秀でた知識を有していて、ゲームやコミック、映画などにも関心がある人たちです。
似たような言葉として、「ナード」を聞いたことがある人もいるかもしれません。
では、ギークとナードの違いは?
ナードはギークに比べて内向的だと言われています。
ギークが自分の専門分野について触れられた瞬間に、何かが取りついたように喋るのをやめなくなる人々だとすれば、ナードは専門分野に関しても熱弁せずに一人で没頭しているタイプの人々を指します。
ドラマの中では、レナード、シェルドン、ハワード、ラージの4人やシーズン3から登場するエイミーがギークに分類されるでしょう。
では、プレッピーとは?
最近の言葉で表すとすれば、「ウェイ系」や「パリピ」に属する人というと分かりやすいかもしれません。
自分を表現することを恐れず、自信に満ち溢れているのが最大の特徴です。
服装もオシャレで、プレッピーたちは他のプレッピーグループとも交流を持とうとします。
ドラマの中でいうと、様々な人と交友が深いペニーはプレッピーに属すると考えることができます。
Posting this for several reasons: 1. I never noticed the wreath on the dart board. It may actually be the only time I can think of where it wasn’t just a plain board 2. It’s a Christmas episode from almost exactly 5 years ago (it aired on December 13th, close enough) 3. Like Penny, I also just got out of Jury Duty and this immediately came to mind 😆 #BigBangTheory
現在アメリカの学校では、「ギーク」や「ナード」に属する人と「プレッピー」に属する人とで、完全に住みわけがなされていると言われています。
『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』は、その中でもギークに焦点を当てたドラマというわけです。
ギーク達の怒り―「私たちはこんな風じゃない!」
『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』には、自分たちがギークであると自覚し、それを誇りに思っている人からの批判が寄せられています。
その一つが、キャラクターの性格や特性に関する批判です。
ギークたちは、このドラマが世間のギークに対する印象を悪くしていると考えています。
例えば、作中でハワードは母親と同居していますよね。
それをからかうような場面や、母親と住んでいるために女性と上手くいかないという場面がドラマでは描かれています。
これに対して、ギークたちは、経済的な理由から両親と同居している人なんてたくさんいるのに、それがギークの特徴の一つであるように描かれるのは心外だ、というのです。
他にも、ラージには、アルコールなしに女性と上手く話すことができないという特性があります。
少し考えればわかりますが、この特性も全てのギークに当てはまるものではありませんよね。
作中での登場人物のファッションに関しても
ギーク達は、制作者が描いているのは古典的なオタクだと指摘しています。
眼鏡をかけて、パンツも着崩さず、シャツは一番上まできっちりボタンができるものを着ている……。
これはレナードによく当てはまる性質ですが、他の登場人物についても同じようなことが言えます。
例えば、ドラマの中でシェルドンはアニメのTシャツをよく着ていますよね。
ギーク達は、自分たちはこんな格好なんかしていないと言います。
もっとファッションに気を遣っている人もいるのです。
何よりも彼らが許せないと考えているのは、「ギーク文化」を笑いにしてしまっているという点なのです。
『スター・ウォーズ』などの映画やアニメ、コミックの話を持ち出して、登場人物に面白い返しをさせることで笑いを生み出す……。
考えてみると、そのような場面も多いような気がします。
私たちはドラマのような格好もしていないし、ドラマのキャラクターはギークの代表とは言えない。
ドラマを楽しんでもらうのは構わないけれど、偏見を持ったり、ギークはこういう人たちだと思い込んだりするのだけはやめてほしい。
それがギークたちの切実な願いなのです。
それでも「シェルドン」と呼ばれるギークたち
衝撃のアンケート結果があります。
Redditというアメリカの掲示板で、なぜ『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』が嫌いなのかというアンケートを取った記録が残っています。
『ビッグバンセオリー ギークなボクらの恋愛法則』が嫌いな理由として、なんと45%以上の人が、「実生活の中で私のことを『シェルドン』と呼ぶから」と答えたのです。
実際に、ドラマを実生活に持ち込んでギークのことを「シェルドン」と呼んでしまう人もいるようです。
やっぱり楽しんで見るのが一番
日本でドラマを見ていると、アメリカのギークたちの声はなかなか届いてきません。
それに、常にどこか自分とは切り離してドラマを見てしまうものです。
しかし、実際の当事者であるギークたちのドラマの見方を知る、というのも面白いものですし、番組として加工する時に加えられている脚色も明らかにすることが出来ます。
「こういうところは嘘なのではないか」
「ここは脚色が入っているかも」
ギークたちの本音を知った私たちは、次からドラマを見るときにはどこか頭の片隅でそう考えてしまうでしょう。
それこそがギークたちへの配慮になりますし、同時に私たちがドラマをもっと楽しむためのヒントを得たことにもなるのではないでしょうか。
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