『SHERLOCK/シャーロック』製作総指揮、脚本、役者それぞれのこだわりと苦悩に迫る!

sherlockドラマの魅力を語る
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2010年7月から放送されている、イギリス・BBC製作テレビドラマと言えば?

 

このヒントだけで分かる人はきっと大ファンに違いありません。

 

では、もう1つ大ヒント。

アーサー・コナン・ドイルの小説が原作の大人気シリーズです。

 

さて、もう皆さんお分かりのはず。

そうです、『SHERLOCK/シャーロック』です!

 

アーサー・コナン・ドイル原作の『シャーロック・ホームズ』シリーズを現代版にアレンジした本シリーズ。

携帯、ネットを活用して事件を次々と解決していく、新しいホームズの姿に魅了された人も多いのではないでしょうか。

 

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そもそも『シャーロック・ホームズ』シリーズって?

 

アーサー・コナン・ドイルが原作の『シャーロック・ホームズ』シリーズ。

しかし、皆さんが「ホームズ」と聞いて一番に思い浮かべる舞台や映画はそれぞれ違うかもしれません。

 

 

1893年、ホームズとワトソンが初めて登場した舞台「時計の下に」。

舞台化作品の中で一番の成功だと言われている1899年の「シャーロック・ホームズ」。

ウィリアム・ジレット主演の1916年公開の映画『シャーロック・ホームズ』。

ベイジル・ラスボーン主演の『シャーロック・ホームズ』シリーズが最初に思い浮かぶという人もいるかもしれません。

 

 

これだけでもわかる通り、ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズは何度も舞台化・映画化がされています。

 

その数は、なんと200以上!

 

これだけの作品があれば、後出の作品になればなるほど監督やスタッフは頭を悩ませることになるはず……。

 

どのように新しいシャーロック・ホームズを作るのか……。

ジョン・ワトソンの立ち位置をどう設定するのか……。

他のシリーズにはない、オリジナリティをどこで発揮するのか……。

 

今回はBBC製作の『SHERLOCK/シャーロック』に関して、製作総指揮者や脚本家、役者それぞれのこだわりに迫ります!

 

 

時代設定の上での苦悩

 

製作総指揮・脚本のスティーブン・モファット氏と製作総指揮・脚本のマーク・ゲイティス氏は、ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』が博物館の展示のようになってしまうのを避けようとしました。

 

原作の設定では、時はヴィクトリア朝時代。

それでは面白くないと考えたのです。

 

そこで、時代設定を現代にしました。

ワトソンの手記をブログに置き換え、シャーロックに携帯電話を持たせる。

 

時代を超えて生き続け、愛され続けるシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンを現代に蘇らせる。

そして、関係性にスポットをあてることに、『SHERLOCK/シャーロック』シリーズではこだわりました。

 

 

悩みに悩んだワトソン役のキャスティング

 

モファット製作総指揮とゲイティス製作総指揮の両人とも、「シャーロック役にはベネディクト・カンバーバッチしかいない!」と思ったといいます。

ヴァ―チュー総指揮もカンバーバッチの演技を数シーン見ただけで、もう他の俳優はあり得ないと思ったそうです。

 

 

すんなり決まったシャーロック役に対して、一番の問題はワトソンのキャスティングでした。

モファット製作総指揮とゲイティス製作総指揮は、シャーロックとワトソンのW主演にこだわったと言います。

なぜなら、物語は全てワトソンの眼を通して語られるからです。

 

 

シャーロック役のカンバーバッチのパートナーとして機能する俳優探し……。

彼の素行に驚いたり、あきれたり、才能に感嘆したり魅了されたりする視聴者の代表としてのワトソン……。

みんなが「この人なら」と思ったのが、マーティン・フリーマンでした。

 

 

We’re an awesome team 👊 @john_watson_rp

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フリーマンは、通しの段階ですでに完成されたワトソン像を作り上げていたといいます。

傍観者を気どっているのに、実はシャーロックと同じように平和にイライラし、冒険をいつも求めている冒険依存症。

シャーロックとワトソン、2人を結び付けているのは事件そのものであり、私たちはワトソンと同じように事件に対してワクワクしてしまうのです。

 

 

新しいメアリー像

 

シーズン3の目玉キャラクターだと製作陣に注目されていたメアリーは、シャーロックとワトソンのコンビに関わる第三の人物です。

従来のシリーズのワトソン婦人像はファンに嫌われる邪魔者でした。

しかし、「それを覆したかった」と、モファット製作総指揮は話しています

 

 

メアリー役のアマンダ・アビントンは、出しゃばることなく二人の冒険を応援するのが、『SHERLOCK/シャーロック』の新しいメアリー像だと言います。

シャーロックとワトソンの友情が続くのを願うのがメアリーなのです。

一方で、そんな男の友情に水を差さないメアリーにシャーロックは好感を抱いています。

 

 

The wedding – it wasn’t that bad actually.

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夫婦関係にあるワトソンとメアリー。

そして、男女を超えた友情関係にあるシャーロックとメアリー。

3人で1つのチームが出来上がります。

 

 

モリーは実は第1話だけ登場する予定だった!?

 

モリーは、製作側にとってそうであったように、視聴者側にとっても望みのない片思いが印象的な女性だったのではないでしょうか。

 

実のところ、モリーは第1話のみに登場する予定でした。

しかし、第1話のシャーロックにリップを付け替えたことを指摘されるシーンを撮って、今後も引き続き登場することが決定しました。

モリー役のルイーズ・ブリーリーの演技が素晴らしかったからです。

 

 

モリーが担う役割は、視聴者が共感できる存在であることです。

モリーに共感してしまうという場面はありませんか?

 

例えば、クリスマスのシーン。

 

 

シャーロックが、モリーの持参したクリスマスのプレゼントの詳細を見破ってしまう。

長年の片思いの相手へのプレゼントだとシャーロックが言い、メッセージカードを見ると……。

 

プレゼントの詳細を見破ったシャーロック本人、その人に宛てたプレゼントだとみんなの前でバレてしまう場面には、私もモリーと同じように辛い気持ちになってしまいました。

 

 

他のシリーズよりも饒舌なハドソン夫人

 

製作陣の間で、『SHERLOCK/シャーロック』のハドソン夫人は歴代の夫人の中で一番饒舌だと言われています。

 

ハドソン夫人役のユーナ・スタッブスも、従来のハドソン夫人よりも出番が多いと感じていると話しています。

スタッブスは、ハドソン夫人の役割をシャーロックの家と外の世界を結ぶことだと考えています。

シャーロックとワトソンの2人が大好きで、2人にとっての母のような存在こそが、ハドソン夫人であると考え、母性的なハドソン夫人を目指しました。

 

「ハドソン夫人がベーカー街を去れば、国が亡びる」とシャーロックが言うシーンがありますが、まさにその通りなのかもしれませんね。

 

 

実の両親が両親役!?シャーロックの家族

 

『SHERLOCK/シャーロック』では、シャーロックとマイクロフトの兄弟関係が面白いですよね。

兄弟なのに対立しているけど、敵でも見方でもない……。

カンバーバッチは、シャーロックとマイクロフトの関係は人間臭く、所帯じみたものだと言います。

 

 

『SHERLOCK/シャーロック』で製作陣が特にこだわったのは、シャーロックの家族を描き出すことでした。

そこで、モファット製作総指揮とゲイティス製作総指揮は、カンバーバッチの両親をシャーロックの両親役として抜擢することにしたのです。

 

 

母親役のワンダ・ヴェンサムは、「両親を登場させるなんて奇抜な案だと思った」と言います。

父親役のティモシー・カールトンも、実の両親が両親役を演じるなんて面白いと話しています。

カンバーバッチの両親である彼らだからこそ、温かい家族の雰囲気や空気感が画面越しに伝わってきたのでしょう。

 

 

ヴェンサムは、名前の呼び方に拘りました。

マイクロフトとシャーロックという名前はとても大げさだと彼女は笑っています。

そこで、『SHERLOCK/シャーロック』では息子たちを愛称で呼ぶことにしました。

 

 

他のシリーズではあまり描かれてこなかったシャーロックの両親に注目し、描き出したことで、『SHERLOCK/シャーロック』オリジナルの家族が完成したのです。

 

 

悪役ながら魅力的!愛されるモリアーティの秘密

 

モリアーティ役のオーディションに際しては、オリジナルの脚本を用意しました。

シーズン1の最後で、モリアーティが「心の臓をえぐり取ってやる」とシャーロックに言うシーンがありますが、あのシーンはこのオーディション用の脚本から取ったものだと言います。

あまりにもモリアーティ役のアンドリュー・スコットが良い演技をするので、本編にも取り入れることにしたのです。

 

 

スコットをモリアーティ役に抜擢したのは、突然オーディションで突然彼が叫んだからでした。

突然の大声にびっくりしたと同時に、彼を抜擢することを決めました。オーディションで突然叫んだシーンは、シーズン1でシャーロックとモリアーティがプールで対峙する場面に取り入れられています。

 

 

突然モリアーティが叫んだことに驚いた人も多いのでは?

ワトソン役のフリーマンは、何テイクしても飽きない何かが彼にはあると話しています。

 

 

ゲイティス製作総指揮は、「彼のすごみのある黒い瞳には何か奇妙なものがうごめいている」のだと言います。

とてつもない悪だからこそ、みんなに好かれる。

 

とくに子供たちにモリアーティというキャラクターはとてもウケているそうですよ。

絶対悪でシャーロックの敵であるはずなのに、なんだかモリアーティのことを嫌いにはなれない。

何だか分かるような気がしますよね。

 

 

200以上もの既存の作品の中で、どのように『SHERLOCK/シャーロック』にオリジナリティを生み出すか。

製作総指揮や脚本、そして役者たちは独自のこだわりを持って、『SHERLOCK/シャーロック』の製作に臨んでいます。

 

私たちは、ドラマを見てキャラクターと一緒に辛くなったり、思わず笑ってしまったり、突然の大声に驚いたりします。

私たちが反応するその場面やシーン、演技にこそ、製作陣のこだわりが隠されているのです。

 

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